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2006年11月14日火曜日

2006.11.14 残雪期の奥穂高 岡じいの山日記

陽光が眩しい。
雪解け水を集めた梓川が青くきらめいている。
上高地のケショウヤナギの初々しい緑が目に入る。
久し振りに来た上高地より 徳沢 横尾経由にて
涸沢へ入り 奥穂高へのルート。
何年振りかで見る穂高連峰の峰々
いつ来てもやさしく、又は厳しく迎えてくれる。
横尾谷に入りいつもどおり本谷橋でひと休みして
 橋から見上げる屏風岩
40年程前に登った事を思い出すと同時に
その時のザイルパートナーも先日亡くなり
色々な思い出が頭をよぎる一刻です。

しかし(やっぱり来てよかった)と心から思う。
本谷橋を過ぎ深い堅い雪に覆われているルートを、
涸沢めざし(あえぎ、あえぎ)登る事2時間余り 
やっと、 個沢ヒユッテの尾根。
そこからが非常に長く感じる行程である。

真っ白な涸沢カールはまるで
アイスクリームをスプーンですくい取った跡みたい。
今日は涸沢ヒュッテにて泊まる。 
翌朝5時、個沢ヒュッテを出発。 
あたりはまだほの暗い、空は紺碧の青さである。
西には半月の月が残っている。 
最初からアイゼンを着け、真っ直ぐ上を目指す。
何もかも雪に埋まっているので、
穂高岳山荘までほぼ一直線の(直登)である。
(静かだ)すべての音が雪に吸い込まれているみたいだ。
ピッケルを突く音、
左足、右足、ピッケルを抜く音と単調な登りである。
ザイテングラードが右に見えると、傾斜が急になり、
アイゼンの爪をきかせながら雪面を蹴り込んで登る事2時間、
やっとの思いで穂高岳山荘に到着。
少し休憩を取り、奥穂の山頂へ。
出だしのハシゴには、雪がついておらず夏山ルートを登る。
その後、正面の雪の壁を登る事になる。
まだまだ雪堅くピッケルも刺さらない、
アイゼンを深く蹴り込み一歩一歩確実に登る。
その難所を過ぎ、岩場に出た所で一本を立てる。
ふたつ目の雪壁を越えると視界には、槍ヶ岳、壮六岳をはじめ、
残雪の峰々が広がってくる。
周囲が白いだけに黒く浮き上がる。
ジャンダルムが
非常な迫力で目の前に聳(そび)える。
Am11ついに(山頂)に到着する。
 眼下には梓川河原を望み
その先に上高地や大正池まではっきりと観える。
上空は、あくまでも青く、最高の天気である。
下山の時間が気にかかって、即、下りる事に。
下山には浮石を踏まない様に、
登るよりも気をつかいながら穂高岳山荘へ。
しばし休憩後、一気にグリセードにて涸沢まで。
まわりを見れば涸沢、槍、北穂高、前穂高と
最高の気分にて横尾まで下がる。

横尾山荘にて今日は泊まる事にして、
明朝、上高地より沢渡までバス、沢渡より愛車にて自宅まで。
楽しい山行きであったことをお伝えしたく、ペンをとりました。 (Oジイ)
残雪期の奥穂高岳@岡じいの絵日記 ♯6

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